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2016年12月10日土曜日

さて、次はどんな後悔をしようか?

 
 日付が変わってもはや昨日、12月9日はダリ展を見てみようと、東京へ出かける。
 
   美術館なんて
 ∧∧ 何年ぶりかな?
( ‥)
 −( ‥)10年ぶり…
     いや20年ぶりぐらいか
 
 神奈川から一旦とはいえ、退かざるをえなかった70日前の9月30日、そういえばダリ展がやっているんだよな? 東京から離れるのなら最後によってみようかな? そう思いつつ、時間をあれやこれやで失い、諦めたのであった。
 
   でも諦めきれずに
 ∧∧ 化けてでましたよ〜
( ‥)
 −( ‥)死んだわけじゃないけどね
 
 東京は乃木坂にある国立新美術館でのダリ展は12月の12日、つまり来週の月曜日までだ。最終日は平日でも混むだろうし、土日は容赦ないだろう。いくとしたら今日(すでに日付は変わったが)、9日金曜日に違いない。

 それに、ささやかながら金のめども立ち始めたし、損失補填のことは忘れ、無駄金を使うことも悪くはなかろう。
 
 ∧∧
( ‥)でっ? 感想としては
    どうだった?
 
  (‥ )んー
      可もなく不可もなくって
      感じかな?
      素人な我がまま視点では
      そんなところ
 
 有名どころでは「ポルト・リガトの聖母」、「テトゥアンの大会戦」、「謎めいた要素のある風景」…

 他は初期の作品と、演劇などのためのデッサン。ダリを一躍有名にしたシュルレアリスム時代の作品は全体の中ではむしろ少数だ。

 ああしかし、「少女の後ろ姿」と、「姿の見えない眠る人、馬、獅子」があったのは良かった。
 
 ∧∧
(‥ )でも巨匠だからですかね?
\−  超有名の代表作が
    目白押しってわけには
    いかないみたいですな
 
  (‥ )良くわからないけど
      あの人の作品は
      全世界のあっちこっちで
      所蔵されたり
      展示会したりしながら
      ぐるぐる世界を
      回ってそうだよね
      作品にも所有者にも
      都合があるわけだし
      そう簡単にはそろうまい
 
 逆に言うと、ダリの展示会があったら取りあえず見ておけってことらしい。多分、自分なら死ぬまで3回ぐらいは機会がありそうだ。
 

 ともあれ「ウラニウムと原子による憂鬱な牧歌」は良かった。黒が非常にきれいである。=>dali uranium and atomica melancholica idyii - Google 検索

 
 さて、平日、金曜日の10:30には入場したが、すでに混雑である。それでも早く来たかいはあっただろう。本当に混むと入場制限、入場待ちのようだ。
 
 ゆるゆる動く人波に合わせて出てみると時刻は12:30であり、時間もあったので
 
   以前の住まいまで
 ∧∧ 遠足ですか
( ‥)
 −( ‥)というよりも
     以前の住まい
     その近所にあった
     お気に入りの公園へ
     またいきたいのさ
 
 70日ぶりの公園だ。退いて出た9月30日。その時は秋の始まりで、気温自体は涼しくなっているのだが、秋雨前線やら天候不順やらの猛烈な湿気で蒸し暑く、うんざりするような気候だった。

 しかし、12月の今、関東は冬型の気圧配置で晴れ渡り、乾いた青い空気と落ち葉の世界に変わっていた。最高温度も17度と暖かい。
 











 丘の上のベンチに腰を下ろし、見回す。ひさしぶりの良い風景だ。しかしなにかおかしい。






 




 ∧∧
(‥ )...ああ丘の上にあった大木が
__  切られてるね
    切り株だけになってる
 
  (‥;)まじかよ
 





 



 
 やれやれ、この木の下にはベンチがあって、冬の夜にやってきた時は、ここで寝転がって星と木の梢を眺めたものだったが...

 ∧∧
( ‥)あの木は斜めに
    かしがってたからね
    危険だとして
    切られたんでしょう
 
  ( ‥)最近、公園の造園業者が
      危険な木を次々に
      切ってたからなあ
      そういうことか…
 
 実のところ今年だって台風の後に大木が倒れたのである。今日見たらそれは切断されて処理されていた。多分、こういう危険除去の一環として、この大木も切られたのだろう。やむを得ないとはいえ、おしいものだ。20年は見てきた大木であったのだが。

   70日離れていただけで 
 ∧∧ この違い
(‥ )
 −( ‥)やれやれ
     この次この公園に
     戻った時には
     どうなっているかな
 
 ともあれ、色々なものを改めて見た。以前だったら気づかなかった植物があることに、今では次々に気がつく。
 
   24年もここにいたのに
   この公園は
 ∧∧ 使い切らなかったね
( ‥)
 −( ‥)まあいいさ
     今度戻った時に
     使い切ろうじゃないか
 
 ∧∧
( ‥)...今度ってあなた
    次は星がもっときれいに見える
    場所へ引っ越す予定でしょ?
 
  (‥ )それじゃあその次だ
      星を見たその後
      ここに戻ろう
      さもなきゃ
      時々、遠出して
      ここまで来ても
      良かろうさ
  
 今、取りあえず退いた場所だってそうだ。1年しかいるつもりはないが、この場で見えるもの、手に出来るもの、観察できるものを可能な限り使い尽くす。そうしていかないと、後悔だけの人生になるだろう。
 
  どうせなにしたって
 ∧∧ 死ぬ時には後悔するのに?
( ‥)
 −( ‥)後悔ってのはな
     必ずするものだけど
     内容は変えられるんよ?
 
 だからあれだ、次はどんな後悔をしようか?
 
 ∧∧
( ‥)今日の後悔はあれだね
    植物を二つ
    写真だけでなく
    スケッチもすれば
    良かったという
    後悔だね
 
  (‥ )ははっ
     丘のベンチから夕焼けを
     眺めたくてな
     先を急いでしまったからな
 
 まあいい、まあいい、同じ種類のものはどこかにいるだろう。今日見たものを覚えておけば、いずれ別のそれに出くわすはずだ。さもなければ来年、ここを訪れよう。その時、あれらを手に入れるのだ。
 
 夕日の中、強い風に揺れる丘の上の紅葉を眺めて、帰った。




 
 


  
 




 
  

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