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2014年4月27日日曜日

科学ライターは殲滅しなければならぬ ただの一人も残さずに

 
 海から
 
 ∧∧ 帰ってきましたー
( ‥)
 ‐( - -)ああ、疲れた
 
 海へいってきた事の顛末は後でするとして
 
 何気に検索してみると
 
 ∧∧
(‥ )こないだ出したあなたの本に
\‐  書評がついてるね
    やや辛い評価のものもある
    ちょうどつい先日のものだね
 
 =>Amazon.co.jp: 超美麗イラスト図解 世界の深海魚 最驚50 目も口も頭も体も生き方も、すべて奇想天外!! (サイエンス・アイ新書): 北村 雄一: 本
 
 これの話=>Amazon.co.jp: 超美麗イラスト図解 世界の深海魚 最驚50 目も口も頭も体も生き方も、すべて奇想天...の おばぼたるさんのレビュー
 
  (‥ )ああ、言ってる事は
      正鵠を射ているな
 
 どういう読者を想定しているか分からない
 
 答え:正しい。読者とは仮想存在なので、その意味において読者を想定していないからです
 
 想像図だと思うと...
 
 答え:正しい。深海生物の姿は想像図です。本当の姿は直接観測された生物に関してさえも正確ではありません。ホタルにライトを浴びせて撮影した写真は本物だけど正確じゃないよね
 
 科学ライターが書くのであれば情報の取捨選択や統一感など...
 
 ∧∧
( ‥)これに対してはなんと答えます?
 
  ( ‥)科学ライターというと
    ‐□ いつも思い出すことがある
 
 スティーブン. J .グールドのやったことは、結局、無意味だった。

 
 ∧∧
(‥ )グールドさんはたくさんの本を
\‐  書いたけども、
    古生物学者だよね
 
  (‥ )だがな、進化学者や
      系統学者が
      彼をこう呼ぶ場面を
      何度か見たよ
 
 グールド? ああ、サイエンスライターの人ね。
 
 まあ、業績よりもむしろ一般向けの本が多いので、本気でそう思っている人もいるのだろうけども
 
 ∧∧
( ‥)でも、むしろ揶揄だろうと
 
  ( ‥)グールドの主張は
    ‐□ めちゃくちゃだったし
      結果的にはほとんど全部
      敗退したのだ
 
 種淘汰説は、間違いだった、というよりも意味が無かった
 
 自ら提唱した異質性は、自分たちでは数値化できなかったので忘れられた
 
 分岐学に否定的だったが、すべては分岐学になった
 
 断続平衡説を唱えたが、一時の栄光は幻になって、新たな解析方法によってそれは否定された。そもそも根拠がないのだ
 
 社会生物学批判は、最初は勇ましかったが、証拠の数に押され、ずるずると後退し、めそめそと言葉を少なくして、そんなことが無かったかのようにご都合的に消えた
 
 なにもかも敗退だった
 
 それでもなお、「ワンダフル・ライフ」のように売れた本もある。カンブリア紀に出現した多様で異質な生物たち。彼らが見せたきらめくような可能性。カンブリアの宮殿なんてタイトルがあるように、自然淘汰と生存競争では考えられないような進化が起きる奇跡の証拠であるとぶち上げたこの本は...
 
 ∧∧
(‥ )わーい、すごい変な生き物が
\‐  たくさんいるー
    という書評だらけでね
 
  (‥ )当然の反応なんだがな
      あれを見た時は、
      愕然としたな
      あれだけ売れたのに
      効果ナッシングなのよ
 
 そもそも「ワンダフル・ライフ」におけるグールドの主張。これにもまた科学者はほとんど誰も賛成しなかった。
 
 科学の歴史におけるバージェス動物群の評価は単純である。
 
 これらは初期の生物で原始的である
 
 一度、適応放散が起こるとニッチが新しいニッチを作り出し、多様性はすみやかに達成される
 
 急速な進化は、別に急速ではない
 
 しかし、やはり初期だけに、生態系は単純だ あきれかえるほど単純で簡単
 
 異様に見えるけども、バージェス生物群は現在の生物の、原始的な姉妹群です
 
 ∧∧
( ‥)発見当初からこうであった
    この見解は今に至るまで
    原則的に変わる事は無かった
 
  ( ‥)確かにグールドの本で
    ‐□ バージェス動物群を知った
      読者は、
      グールドのような主張が
      一時期盛んだったけども
      今はそう考えられていない
      そういう歴史の変遷が
      あると思い込んでいる
 
 だが、実際にはそれは間違いだ。伝統的でありきたりな見解があった、途中でグールドがなんか言ったが、他の全員が無視した。歴史的な意見の転換などなかった。それだけだ。
 
 方向性はほぼ同じままで、事実がより詳細に、議論がより緻密になった、それだけの話である
 
 ∧∧
( ‥)グールドさんのやったことは
    無意味だった?
 
  (‥ )効果はあっても虚構だった
      その意味で無意味だ
      だが悪い意味では
      まったく無意味でも
      なかった
      科学オタクや
      俺様理論屋や創造論者に
      ダーウィニズムを否定する
      手がかりを与えた
      このように効果はあった
      だが、
      これは間違っているよな?

 
 ああ、確かに科学ライターはでまかせを書いてもいいのだ。実際、多くがそうした。科学ライターとは所詮はマスコミにすぎないのである。マスコミがでまかせを書いてもいいように、科学ライターもでまかせを書いていいのだ。別に科学ライターに限らない。思い当たる節は、皆あるだろう?
 
 そしてグールドは、「科学ライター」と揶揄された。
 
 それでも本は売れた
 
 売れればいいはずなのだ
 
 科学ライターは売れれば良いのである それだけだ
 
 ∧∧
(‥ )でも、効果はなかった
\‐
 
  (‥ )あるいはあったのだが
      それは間違った主張が
      引用されるだけでしか
      なかった
      そりゃあそうだよね
      間違い、あるいは
      根拠薄弱な仮説を
      書いてしまったのだから
 
 科学ライターは売るためには嘘を書かねばならない。本当の話が売れることもあるが、売れる=本当、ではない。そうである以上、嘘を書かねばならない。
 
 つまり、書かねばならない集合に本当と嘘が混ざるのだ。そうである以上、そうしなければならぬ。
 
 ゆえに、科学ライターの行為に効果があるとしたら、それは嘘に関する部分でもある。これは必然。
 
 確かに、確かに、人生とは無意味なものだ。だから後がどうなろうが、信じ込んだ馬鹿がどうなろうが、そんなこと考える必要は確かにない。
 
 ∧∧
( ‥)どうせ無意味だからね

 
  ( ‥)事実として無意味であった
    ‐□ だがな、
      どうせ無意味な人生なら
      嘘を残しても
      しょうがなかろう

 どうせ無意味に終わる人生なのだろう? だったら、正しいことだけ書いてればいい。
 
 売れても効果はないし、あるいは無視できるレベル。効果があってもそれはセンセーショナルな嘘。そうであるなら、科学ライターのやることに意味など無いではないか。価値があるのは科学ライターじゃない。彼の解釈でも文章でもない。価値があるのは価値ある情報だけだ。
 
 言い換えればである。科学ライターのあるべき姿など、殲滅しなければならぬ。
 
 
 ∧∧
(‥ )でも、このあなたの言い様は
\‐  情報を取捨選択すべき...
    という評価に答えていない
    のでは?
 
  (‥ )いやいや、あの本、
      取捨選択したよ
 
 
 実は一番肝心なことが書かれていない。
 
 ∧∧
( ‥)困った取捨選択だな
 
  ( ‥)Bはなになに
    ‐□ Cはなになに
      Dはなになに
      ....
      Zはなになに
 
 この場合、説明されたものは何か?
 
 ∧∧
( ‥)Aだね
   
  ( ‥)まあそういうことさ
    ‐□ 
 
 ∧∧
( ‥)ライターとしての
    取捨選択ですか?
 
  (‥ )いや、作り手としての
      選択肢
      作り手として今回は
      その部分を抜かざるを
      えなかったわけでね
      取捨選択の結果、
      BからZはあるがAは抜けた
      それがあの本だ
 
 ネタは、取っておくものだし、本の都合上、今回はそれが使えませんよ、ということが当然、生じる。それが重要な部分でも、本の主旨に合っていない以上、それは割愛され、次回に回されるのだ。
 
 ∧∧
(‥ )そういうことをお客が
\‐  求めているとは
    限りませんけどね
 
  (‥ )消費者には消費者の
      だが作り手側にも
      作り手の都合があるものよ
 
 そして、両者の利害は、大概、一致しない。立場が違うのだから、それは当然。そしてその相克は、相手のことがお互いに理解も把握もできていない以上、極めて根本的なものとなる。
 
 
 
 
 以下へ続く=>hilihiliのhilihili: 仕事してねー やべー 俺やべー
 
 

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