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2012年12月11日火曜日

最後の冷戦世代である僕らは老いた

 
 
 ∧∧
( ‥)冷戦脳ですか。前の=>*
    続きですね?
 
 
  ( ‥)国防軍という単語を耳に
    –/ して、何気に書いたけど
       一応、自民党の公約
       pdfを読んでみてね。
 
 国民主権、基本的人権、平和主義、天皇陛下を頂く国家であり、国歌、国旗、自衛権の発動を妨げないこと、国防軍を保持すること。
 
 ∧∧
(‥ )立憲君主国家になりましょう
\–   そういう内容ですね
 
  (‥ )家族の尊重というのは
      時代にそぐわない精神主義
      な匂いがするけども、
      家族を解体するわけにも
      いかんでな、まあ、普通な
      内容だね。
 
 ∧∧
(‥ )自民党は極右政党になって
\–   戻ってきた、そういう揶揄も
     ありますね
 
  (‥ )これが極右だったら、
      世界の国々はファシスト国家
      だろうけどな
 
 そうか、時代は変わったのだものな。
 
 ∧∧
( ‥)冷戦は終わり、中国は躍進し
    死にものぐるいで海洋へ
    出ようとしています。
 
  (‥ )補給線を断たれたら終わり
      だからね、彼の国が
      ああするのは当然。
      明帝国時代の轍は踏まない
      そう思ってさえいるのじゃ
      ないかな?
 
 *明帝国の轍は踏まない=>せっかく元帝国時代に海洋へ躍進したのに、次ぎの明は海洋貿易の道をとざし、結果的に西欧世界に海洋の覇権を奪われたこと。こういう指摘は実際に向こうの論文であるっぽい。
 
 しかしもちろん、海洋国家であるアメリカも、日本もそれを許すわけもない。そうなれば単純に、普通に、軍事力を持った国が海をはさんで、海峡越しに睨み合う。全世界のヨーロッパ化、互いに征服されまいと、征服されざる国が互いに軍事力でしのぎを削り合う地球の始まりだ。
 
 この状況についていけなくなった老人たちにとって、今の世界は、目眩がするだろう。
 
 ∧∧
( ‥)そして、あなたも自分の
    老いを感じたと。
 
  (‥ )国防軍と聞いた瞬間に
      ?? と思ってしまった
      からな。
 
 ∧∧
( ‥)冷戦脳?
 
 ( ‥)うん、そう思う。
   –□ 大学時代まで冷戦だった
      からね、それに当時は
      国防なんて大声で言うのは
      確かにちょっとずれた奴
      だったのだよな。
      現実を詳しく見てる
      リアリストか、
      舞い上がったおかしな奴の
      二者択一だよ。
      言葉のイメージが今と
      全然違うんだよね。
 
 当時は、核ミサイルが飛んできて、それで終わりだ、そんな雰囲気があった。
 
 実際のところ、戦争とはそれだけですむような単純なものではなく、事実、どこの国も陸軍もあれば戦車も持っているのである。ミサイル飛んできて、はい、おしまいでーす、ではない。ましてや、核ミサイル抜きの戦争なんていくらでもありうるし、事実、起こっていた。
 
 戦争って核ミサイルを飛ばすものなんでしょー、なんて、そんなものであるわけがない。
 
 ∧∧
( ‥)そんなものであるわけない
    だけど、当時はそんな理解や
    雰囲気であったのだと。
 
 (‥ )そうね、日本は最前線に近い
     けども、戦場そのものではない
     別に戦争しているわけでもない
     WW2の時でさえ、市民から
     すれば戦争のリアルは
     戦場ではなくて、出征と
     爆撃だよな?
     戦場にいない人間の戦争感
     なんて、他人事だし、しょせん
     戦場とは別物なんだ
     爆撃機がミサイルに変わった、
     それなら戦争はやった瞬間に
     終わるものだそんな理解しか
     できないのは当然。
 
 
 そういう世界観では単純に軍隊反対、戦争反対と言っていれば良かったのである。
 
 言ってみれば、戦争=人類の全滅という方程式において、戦争反対、軍隊放棄=人類の存続なのであった。
 
 それさえ言っていればオレ様は安泰だし、なんか知的なインテリぶることが出来た、楽な時代だとも言えようか? 活字と詭弁という世界に引きこもるしか能がない出来の悪い人間には、まさに温室のような時代であったとも言える。
 
 
 ∧∧
( ‥)でも状況は変わったと
 
  (‥ )海の向こうのまだ見ぬ国
      ではなくて、向こうから
      軍艦が顔をのぞかすのだ。
      状況は変わったよ。
      だけどもね、35を過ぎると
      体力が衰えることは
      知っているけども、
      知力はまだまだ
      大丈夫だとみんな
      思い込むわけさ。
 
 実際、40ぐらいなら知力はまだそこそこなもんである。
 
 もちろん、不安にはなる。本当に知力がそのまま充分に残っているのか? 
 
 ああ、しかし、それも確かに問題ではあるが、肝心なこと、忘れてないかい?
 
 ∧∧
( ‥)むしろ、時代遅れになって
    いないか?
 
  (‥ )人生は生き抜いた証し
      だよね? つまり実は
      どいつもこいつも
      生きている奴はそこそこ
      成功はしているんだ、
      だが、生きている、
      その成功体験が
      目を曇らせる
 
 
 その成功体験は本物か? ああ、それも問題になるが、時代遅れはもっときつい。
 
 ∧∧
( ‥)成功体験はじょじょに
    破滅しますけど
 
  ( ‥)時代遅れは瞬間的
      なんだよね。
      周囲が変わってしまう
      のだからな。
 
 ∧∧
( ‥)時代は変わり、国防軍の
    意味も変わりますか。
 
  ( ‥)たぶん、
      冷戦以後の世代にとって
      戦争は瞬間的に終わる
      そう、信じていた
      冷戦脳の大人達は
      理解不可能かもね。
 
 見方を変えれば、冷戦世代のインテリたちにとって冷戦後世代は理解できない、ということでもあるだろうか。
 
 冷戦世代は戦争=オレ様の死だと思っている。
 
 だが、冷戦後世代にとっては、戦争と国防の用意なくば死、ではないのか?
 
 ∧∧
(‥ )結局、どっちがリアルか
\–   なんですよね
 
  (‥ )つまり答えはすでに
      決まっているのさね
 
 ああ、たぶん、最後の冷戦世代である僕らは老いた。
 
      

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