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2012年4月18日水曜日

夢ではなく石英の砂浜へと至る

 ∧∧
( ‥)どう?
 
   ( ‥)そうねえ、ざっと見た限りでは
     -□ どうも、びみょー、かなあ
 
 これ、いわゆるトータルエビデンスなんじゃないかい?(*形態データと分子データを一緒に解析する、という系統解析におけるスタンスのこと。その是非をめぐって議論がある、あるいは少なくとも”あった”)。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、トータルエビデンスだから
    だめってわけでもないでしょうけどね
    *駄目だ、という人はいますが
 
   ( ‥)それと塩基配列のデータが
     -□ 少なすぎるように見えるのだけど
       これ、どう見るべきなのかな?
 
 まあ、おいおい検討しよう。
 
 さて
 
 *の続き
 
 ∧∧
( ‥)考えてみれば矛盾ではないのかも
    知れませんね
 
   ( ‥)「科学とは定義、命題、論理だ」
     -□ こういう信念と
       「科学はいい加減で理論を信じても
       そんなものは数年で駄目になる」
       この2つの考えが同一個人の
       中で成立しうる不思議
 
 ああ、だが、「科学は定義、命題、論理だ」の冒頭にある「科学」をとっちまえば矛盾でもなんでもないのだよな。
 
 ∧∧
( ‥)ようするに理想像と現実の乖離ですよね
 
    (‥ )俺様の好きなアイドルは
        処女決定確信と言うレベル
 
 
 そういえば、彼は「実験科学は狭すぎる」と言ったことがあったな。
 
 まぎれもなく、彼は経験から超越して(自分の考えた)論理から導きだされた(理想の)世界へと飛んでいきたいのだ。
 
 ∧∧
( ‥)だが実験と観測がそれを邪魔する。
    現実の科学は、飛翔しようとする
    彼の妄想を大地に引きずり下ろそうと
    しているように見えるでしょうね
 
    (‥ )科学は経験的なものさ。
        現実の前に夢は敗北するのだ
 
 というか、

 ∧∧
( ‥)宇宙を構成するベクトルをすべて解析すれば
    過去も未来も全部再現できるって
    そう彼は言ったのでしょ?
 
    (‥ )いわゆる「ラプラスの魔」あるいは
        ラプラス主義者ってことになるけど
        そう言って彼は系統解析の結果や
        データが指し示すものを全部否定
        したのだよな。
 
 *ラプラスの魔。今風に言うと、ラプラスさんが考えた「宇宙を構成するすべての原子なり素粒子なりの運動の向きと力を把握し、それを演算できる能力を持つ存在は、現在から過去も未来も、次に何がどこで起こるかすべて分かるだろう」、という仮想的な何か。決定論的な考え方でもある。
 
 信じる彼は現行の科学と理論によって己が仮説を否定され、ならば未来にはテクノロジーが発達し、科学によってラプラスの魔が本当に建造されて、その時にこそ自分が支持した理論の正しさが証明されるだろうと・・・・
 
 ∧∧
( ‥)科学に対する過剰な期待と勘違い
    そして裏切られた絶望、未来への
    逃避行ですか。
 
   ( ‥)ああ、しかし問われるだろうな
     -□ 現実を観察した僕らが考えだしたのが
       法則。それはそれ自体が仮説。では、
       仮説が無限の演算で用いられても
       なお誤謬を犯さないという前提は
       いかに正当化できるのか? と
 
 有限の事象から考えだされた法則を、無限に用いてもなお有効だと、いかに証明するのか? いや、そうではなくむしろ
 
 ∧∧
( ‥)いかに証明したのか? ですよね
    ラプラスの魔を建造すればできるはずだ
    という信念の根幹に必要なのはそれ
    でしょう
 
    ( ‥)まっ、証明してるわけないけどな
      -□
 
 ああ、あなたの夢はつぶれる。これ以上はないというくらいに無惨にな。
 
 ∧∧
( ‥)だから逃避行したのでしょう?
 
    (‥ )逃げることは許さん。
        人はすべからく現実を這い回るのだ
 
 この世のすべての夢をストレステストにかけねばならぬ。
 
 ∧∧
( ‥)夢を破壊せよと?
 
    ( ‥)破壊が目的ではない。だが
      -□ 抽出された耐久性あるものを
        見てみたいと思わんかね?
 
 夢なんぞではなく、風化に残って集積した、石英の砂浜を見てみたいと思わないかね? 
 
 
 

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