自己紹介

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2010年8月30日月曜日

ニセ科学ごとにニセ科学の定義あり

 
 ∧∧
( ‥)ようするに?

     (‥ )ニセ科学とか、疑似科学、病的科学ってのは
         それは総称だよね?

:ホメオパシーはニセ科学
:星占いは疑似科学
:鳥は恐竜ではない、というのは病的科学

 とっ、個別に言うことはできるけども

 ∧∧
( ‥)”それは疑似科学じゃないの?”と言われた個々の事例の
    総称としてニセ科学とか疑似科学という言葉があると。

     (‥ )個々の事例に問題があることを指摘した。
         個々の事例、それぞれに関してはそれだけの
         話なんだよな。

:無限希釈したものが効果という結果と因果関係にあること。それを妥当性をもって示せ。あるいは妥当性を示して見せたというのならば、検証方法そのものの妥当性をも示せ。それが示されない限りはホメオパシーは最低限、過剰広告であるし、ひいていうと有害であり。端的に言うと、「死ぬよ」

:星占いは古典的には天文学の出発点であったか、あるいはその応用であったか、あるいは動機であった。過去の星占いは疑似科学だろうか? 天動説は、それが役に立った時代には有効な理論ではなかったか? 天動説に裏付けられた星占いは、では有効な理論であったのか? いや、そもそも星占いは理論と言えたのか? 本当に天動説と星占いは切っても切れない仲であったのか? 星占いが科学であったと言える、あるいは言えそうな時代はあったのだろうか? 

:鳥は恐竜ではない。樹上で暮らす恐竜以外の爬虫類から進化したと主張する研究者はまだごく少数ながらいる。彼らの一部は「一部の恐竜から鳥が進化したことは認めるが、祖先となった恐竜は実は他の恐竜と別系統である」そう主張した。しかし彼らは系統解析を使用しないか、あるいは妥当性が不明な系統推定(系統憶測か?)を行う。彼らは研究者ではあるが、議論は後退的であり、これはもはや病的科学と呼ぶに値する状況ではないのか? 最低限、それほどにまで彼らの議論は実りがないし、予測もことごとくはずれている。

 ∧∧
( ‥)以上、個々の事例と、それらが個々に抱える問題点を
    詳細に述べることができればそれで十分であると。

     (‥ )仮説Aは疑似科学である、という時、
         仮説Aはこれこれな理由で妥当ではない
         それをもって仮説Aはニセ科学/疑似科学である
          そういうことを言っているのであって。

 なんていうの? この場合のニセ科学は省略された議論の要約っていうの?

 ∧∧
( ‥)個別の事例をニセ科学と定義した、とも言えますけども。

     (‥ )実際には定義ですらないのかもしれないね。

 その一方で、こうした意思決定や議論の過程では、以上の個々の事例を共通してくくる”疑似科学”とか”ニセ科学”という単語を定義する必要もなければ(そもそも個別に議論して表現している)、これこれな条件を満足すればそれは疑似科学である、ニセ科学である、と定義する必要もない。実際にしていない。

 ニセ科学はニセ科学ごとに定義すれば良いし、それで十分。反対に、”ニセ科学とされた事例の集合”、それらすべてを満足させるようなニセ科学という単語を定義する必要はない。

 ∧∧
( ‥)なんか、種問題みたいですね。

     (‥ )種は種ごとに定義がある、
         と、言われるみたいにね。

 種を定義しよう、と、この集団をA種と定義しよう、はまったく話が違う問題。

 ∧∧
( ‥)この集団を取りあえずA種と定義しよう、
    というのは個別な事柄ですね。あるいは任意に
    個別な事柄だと定義することで自然界から切り出して
     認識すると言えばいいのか。

     (‥ )種を定義しよう、というのはそれとは全然違う話だよね。
 
 種を定義しよう、というのはA種、B種、C種・・・・・それらを共通して満足させる定義を考えましょうという提案であって

 ∧∧
( ‥)無茶ぶりもいいとこですよね。

     (‥ )しかも、そんな定義がなくても別に誰も困らん、
         というか実際に「種の定義」なんてないし。

 あるいはこう? 提案された無数の種の定義が皆を満足させたことはない。

 提案:交配し、子孫を残せるものは同じ種である、という定義

 現実:A種とB種はまれに交配するが、染色体の関係で、通常、子供は不妊である、しかし、まれに単為生殖して子孫が生じる。それが単為生殖種C種である。C種はごくまれに親種であるA種、B種と交配し、子孫を残すことがある。これは単為生殖種D種と言われるものである。

 問題:以上の文章を先の定義で言い換えてみよう。

 ∧∧
( ‥)疑似科学もニセ科学もそれと同じで定義しても
    満足させられないし。

     (‥ )そんな定義がなくても意思疎通にも
         意思決定にも困らない。

 これが欠陥車なのかどうなのか? 欠陥車の定義とは何か? がなくても

 ∧∧
( ‥)1000時間でハンドル取れます、と言われれば

     (‥ )意思決定はできるからな。

 逆に言うと

     ( ‥)ニセ科学批判批判を言う人って、個別に見てみると
         結構、みなさん”ニセ科学”や”ニセ科学批判”を
         定義しちゃっているように見えるんだよね。
 ∧∧
( ‥)もしもそうならどつぼにはまるでしょうね。


 この仮説Aは駄目な仮説。いやそうだろうか、この解析結果を見よ。そういう個別の議論をすることは問題はさほどないし、具体性がある。

 しかしもし、”ニセ科学”とか”ニセ科学批判”を認識して、暗黙のうちにそれらを定義して単語として使用すると、文章は訳が分からなくなってしまい、ついには現実感が薄れてしまうは必定。

 ∧∧
( ‥)定義できないものを、”定義して”しまって
    それで文章を重ねても。

     (‥ )定義しきれないでこぼれ落ちた、
         現実とのぶれは当然解消されないし、
         むしろ、ぶれがどんどんでかくなるんじゃねーかな。

 

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